どうも、なおです。
今回は前回に引き続き、「心理職のためのエビデンス・ベイスト・プラクティス入門」という本を参考に論文の読み方を解説していきます。
前回は信頼できる研究の手法や本のあらすじを説明したのでそちらの内容が気になる方はこちらも参考にしてください。
それではさっそく見ていきましょう。
心理職のためのエビデンス・ベイスト・プラクティス入門 エビデンスを「まなぶ」「つくる」「つかう」
著 原田隆之
金剛出版
論文の基本的な構成
論文はつぎのような段落で構成されていることがほとんどです。
- タイトル(Title)
- 抄録・要旨(Abstract)
- はじめに(Introduction)
- 実験方法(Methods)
- 結果(Results)
- 考察(Discussion)
そして最後に謝辞や参考文献などがまとめられています。
論文を読み始めると最初に抄録(しょうろく)という部分があるのですが、ここにはその論文の要点がまとめられています。
- どんな内容の論文なのか
- どんな実験をおこなったのか
- その結果や考察
抄録には簡単にその論文の要点がまとめられているので最悪そこさえ押さえてしまえば大丈夫です。
なので、論文を読むときは一番最初の抄録から読むようにしましょう。
そして抄録の後にはじめにや実験の方法について説明されます。
はじめにでは研究の背景や目的、方法では参加者やデータについて、そして解析手法などが書かれています。
そのあとの結果では実験結果、考察ではその実験での限界や妥当性、解釈などが説明されているという流れになります。
なので、私の場合は読む順番として抄録、結果、考察の順でまずは読み進めています。
この3点さえ押さえていれば論文は理解できると思います。
そしてもっと詳しく知りたければ全部読むといった感じですね。
論文ときくとかまえてしまいがちですが、実はこのように構造を知るとかなり読みやすいことがわかりますね。
論文は本よりも要点がつかみやすい
論文は文章の構成が決まっているので、一般の本よりも要点はつかみやすいものです。
ただ、事実や結果しか書かれておらず、作成した人の想いや感情は書かれていないのでそういう意味では読みにくいかもしれませんね。
とはいえ抄録さえ読んでしまえば内容はほとんど理解できてしまうのでまずはそこをおさえるようにしましょう。
英語の論文はどうすればよいのか
論文の共通言語は英語なので、基本的に世界向けに書かれているものは英語になります。
このように思うかもしれませんが中学、高校生レベルの文法が理解できればだいたい読めます。
もちろん英単語は専門的なものも多く、難しく感じるかもしれません。
しかし、パソコンやスマホではあればその単語をドラッグして翻訳や検索をかければ一瞬で調べることができます。
なので、そこまで英語力は必要ないと思います。
ただ私の場合、英文を瞬時に理解できず、頭の中で英文を日本文に変換して理解するので、英文は日本文を読むより5倍くらいは時間がかかってしまいますね…
とはいえ文章を読むことが苦手でないのなら英語の論文でも読み進めることができるようになるでしょう。
論文の検索方法
では最後に「論文の構成や読み方はわかったけどどこから探してくれば良いの?」という疑問にお答えします。
私の場合は論文を検索する際には、
- 以前読んだ本の参考文献の論文のタイトルをそのまま検索する
- Google Scholarで検索する
- PubMedで検索する
また、本書ではコクランレビューもおすすめしておりました。
Google ScholarはGoogleの論文検索サービスで、PubMedはアメリカ国立医学図書館の検索サービスです。
ここから自分が調べたいもののキーワードを入れて検索していくという感じですね。
ただ論文のなかには有料のものも多く、その場合は抄録しか見ることができません。
ただ、抄録だけでも論文の内容はある程度理解できるので、情報収集やちょっと結論を引用したいくらいであれば全然使えます。
最悪有料でも普通の検索エンジンでタイトルを検索すると無料で見られる場合もあります。
無料で見られるものはPDFをダウンロードできるのでそれで終了です。
ピンポイントで自分の求めている情報を集めるのは少し難しいかもしれませんが、論文の検索エンジンの存在を知っているだけでも今後の役に立つのではないでしょうか。
まとめ 質の高いエビデンスを集めよう!
いかがだったでしょうか。
論文の検索方法や読み方を理解することで、より質の高いアイデアや意見を出すことができるでしょう。
自分がその場で思いついたふわっとした意見よりも説得力という意味では論文は非常に強い味方になってくれます。
ただ、あなたの直感や感性も大切ですので、あくまでもバランスが重要ですよ!
ということで今回は以上になります。
それでは、また!
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論文の基本的な種類を知りたい方は前回の記事もいっしょに読むと理解が深まります。