どうも、なおです。
今回紹介する本は、人間の心理に焦点を当てたマーケティングに関する本です。
この本を読むことで次のことが理解できます。
欲望の錬金術 伝説の広告人が明かす不合理のマーケティング
著 ローリー・サザーランド
訳 金井真弓
東洋経済新報社
みなさんは明らかに論理的に正しいことをしているのに全く評価されなかったり、成功しなかった経験はありませんか。
私は理論武装して戦うことが多いのですが、まったくうまくいかないときがあります。
なぜなら人間の感情を無視していたからだったのです。
それでは、人間の感情をうまく扱うにはどうすれば良いのか、さっそく見ていきましょう。
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本の紹介・要約
本書のポイントは、経済学者などの賢い人から見ると完全に非論理的なことでも、人の感情に寄り添ったアプローチをとることで大成功することがあるということです。
つまり人は合理的な行動だけなく、非効率や無駄なことも求めているわけですね。
ですが、多くの人はものごとを合理的に考えすぎていてうまくいっていないと言います。
また、本書では次のように述べています。
人生はより優れた効率性だけを追求するものではなく、贅沢や見栄えを追う余地もあるということを、なぜ人は受け入れたがらないのか?
欲望の錬金術 伝説の広告人が明かす不合理のマーケティング p.290
そこで本書では、人間は不合理な行動をとってしまうことを進化論や心理学、行動経済学を用いて解説しています。
なので、本書は心理学などといった人の心はどうなっているのかを知りたい方にピッタリな本です。
ただ、ページ数が500ページ弱とボリュームがかなりあるので読書が苦手な方は注意が必要です。
1.非合理的だからこそ大成功することがある
2.これからは論理ではなく、感情が重視される時代になる
3.ページ数が多いので、少し注意が必要
ロジックは頭打ち?
合理的な判断や行動は間違っていないと思いますが、もしみんなが論理的になれば論理的になることには価値がなくなると思います。
なぜなら、みんなが同じ答えに行き着いてしまうからです。
テクノロジーの発展をはじめ、私たちは合理性や論理性でここまで豊かになってきたのでもうこれ以上は成長ができなくなるのかもしれません。
そうなると、人間の感情に寄り添うアプローチが大切になってきますね。
著者も次のように述べています。
今後50年で最大の発展はテクノロジーの進歩からではなく、心理学やデザイン思考から生まれるかもしれない。
欲望の錬金術 伝説の広告人が明かす不合理のマーケティング p.108
これまでは人の感情を無視して生活を豊かにしてきましたが、これからは私たち自身の心の豊かさが尊重される時代が来るかもしれませんね。
ちなみに成熟した資本主義においても物質的な豊かさではなく、心の豊かさが重要視されているとこちらの本でも紹介されています。
また、ロジックでは1+1=2にしかならないのですが、人間の感情を通すと2以上の効果が得られる場合もあります。
つまりちょっとした工夫で大成功をする場合もあるということですね。
本書では小さな工夫で成功する方法や実際に成功した例などをたくさん紹介していました。
それではどのようなものがあるのか、見てみましょう。
- ロジックでは差別化が難しい
- 感情が重要視されてきている
ホテルのドアマンの価値
ドアマンっていまの時代には決して必要ではないですよね。
しかし、あえてドアを開けるためだけの人がいることでおもてなしの精神が伝わってきたり、高級感を演出することができるのです。
これで、お客さんは大満足というわけですね。
一見無駄なことに思えても人間の感情に焦点を当てれば価値があることもあるのです。
- あえてホテルのドアマンがいることで高級感を出すことができる
- 感情は無駄なものに心動かされることもある
プラシーボ効果
本書では他にも、レッドブルの販売戦略など一見、非論理的に見えるものでも大きな成功をしている例をたくさん紹介していました。
そこでもう一つ、みなさんも実感できる錬金術を紹介します。
みなさんはプラシーボ効果というものを知っていますか?
日本語では偽薬と言われていて、実際に効果は無いものでも効果があると思いこむことで実際に一定の効果が得られるのです。
例えば薬ではなくても、薬だと思い込むと症状が良くなることがあるのです。
このプラシーボ効果はすごく効果が高いので薬を開発するときには、新薬を飲ませる組とプラセボ群に分けて治験しているほどです。
プラセボ群より圧倒的に効果が高くないと薬として認められないんですね。
これも人間の感情に寄り添うことで現れる効果の一つの例なのです。
- 本書では欲望の錬金術の例がたくさん紹介されている
- 思い込みだけで症状まで変化させることがある
私の感想
この本は、心理学や行動経済学が好きな私にとっては大変楽しめる1冊でした。
それに私の好きなナシーム・ニコラス・タレブさんの著書や考え方を多く引用していたので個人的には愛着が湧いてしまいました。
ちなみにナシーム・ニコラス・タレブさんはブラックスワンという理論を提唱したことで有名です。
まさにコロナウイルスもブラックスワンの一つの例ですね。
少し話がズレましたが、本書を読んでいて私が感じたのは、一般的な本は不合理な行動を自覚して、合理的な行動をとるようにしましょうという本が多い気がします。
しかし、この本は、合理的な行動でなくても個人の満足度の観点からすると、別に過去の経験をもとに考えたり不合理な選択をするは悪くないと言っている感じがしました。
人生の目的はどちらかというと正しいことをするのではなくて、幸せになることだと私は思うので、不合理な行動をしていると自覚したうえで行動しているのなら問題はないと思います。
まあ、大切なのは論理と感情のどっちが重要とかではなくて、うまく使い分けることだと思いますけどね。
まとめ 人の心が重視される時代になってきた!
いかがだったでしょうか。
- 人が不合理な行動を取る理由がわかる
- 感情に寄り添ったマーケティングを実践できる
- これからのビジネスの未来の流れがわかる
現代は良いものを作ったら売れるという単純な世の中ではなくなってきたようです。
どんどんものごとが複雑になってきているような気がしますが、この時代の流れを楽しめるかどうかですね。
お客さんや相手の感情に耳を傾けてみると思わぬアイデアが生まれるかもしれません。
みなさんも人の心を知る努力をしてみませんか。
本書ではそのような人たちにピッタリな本です。
もしよろしければ一読してみてください。
今回は以上になります。
それでは、また!