ビジネス・経済

NOISE(ノイズ)【要約・書評】ダニエルカーネマン

どうも、なおです。

今回紹介するのは行動経済学者の権威であるダニエルカーネマンさんの新著「NOISE」を紹介します。

行動経済学や心理学では私たちの行動にはバイアス(偏見)が無意識のうちにかかってしまい、誤った意思決定をしてしまうと言われています。

ダニエルカーネマンさんの前著「ファストアンドスロー」でも人間の意思決定やバイアスについて解説されています。

さらに新作の今回では誤った意思決定にはバイアスだけでなく「ノイズ」も発生していると主張しているのです。

それではこのノイズとは何なのでしょうか、さっそく見ていきましょう。

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本の要約・ポイント

本書のポイントは、誤った意思決定はバイアスとノイズによって引き起こされるものですが、私たちはノイズへの理解は非常に乏しいということです。

バイアスという言葉はよく耳にする言葉ですが、ノイズについては私も聞いたことがありませんでした。

バイアスとは偏見のことであり、有名どころでいうと、

  • 女性だから~
  • 専門家が言っていることはすべて正しい
  • 限定品=価値が高い

このようにある対象に対して無意識に先入観をもってしまうことをバイアスといいます。

そしてノイズとは、ある対象に対して判断にばらつきが発生することです。

なお
なお
まったく同じ症状の患者たちにそれぞれ違う病名で診断してしまうことや採用面接において面接官の評価がそれぞれ違うことがノイズの一例です。

バイアスは私たちが共通して変な思い込みをしてしまうことです。

それに対して、ノイズは私たち一人ひとりがそれぞれ違った変な思い込みをしていると考えると理解しやすいかもしれません。

学問は一般的で抽象的な理論を多く扱うのでバイアスについては多くの論文や書籍が存在していますが、ノイズに関してはまったくないみたいです。

そこで本書はいままでほとんど表舞台に出てこなかったノイズについて解説している非常に貴重な一冊となっています。

なお、この記事はイメージをしやすくするためにノイズについての簡単な説明しかしておりませんので、ノイズの種類など具体的な内容が知りたい方はぜひ本書を読んでみてくださいね。

そして本書はこのノイズをどのようにしたら減らすことができるのか、よりよい判断をするにはどうしたらよいのかを本書では解説しています。

ノイズとは意思決定者たちの判断のばらつきのことである

個人の判断のばらつきは学問的に理論化しにくい

私は本書を読んでいるときにノイズは人によってばらばらなのでこれまで言及されなかったのかなと感じました。

バイアスはAのときに人はBという思い込みをするというようにある程度は体系化できると思います。

しかし、人によって思い込みがばらばらであれば対策することはかなり困難なはずです。

なお
なお
本書を読んでいても完全にノイズを排除することは無理なんだなと感じました。

心理学だと一般の人が特定の場合において80~90%以上の確率である行動や思考をすることを理論化してまとめています。

ただし学問の対象が人なので例外はあるという形で10%の確率で起こる例外は野放しにされています。

そしてノイズというのはこの10%に対して言及することにとても近いのかなと感じました。

なので多くの論文や書籍で研究されておらず、重要視されていなかったのかもしれません。

いままで誰も手につけなかった分野を発見し、果敢に挑むダニエルカーネマンは流石としか言いようがありませんね。

なお
なお
私もノイズという概念にいままで気づいたことすらありませんでした。言われてみるとたしかにノイズは存在しているなとは思えるんですけどね。

そこで私も本書を読んでから少しでも良い判断ができるようにノイズを減らす方法を実践してみました。

最後にそれを少し紹介します。

できるだけ客観的に判断することを心がける

バイアスはそもそも全員がかかるものだと認識するだけで自分はバイアスにかかっていないかと自問するきっかけになります。

これと同様にノイズもできるだけノイズが発生していないかと自分に問いかけることは有効だと思います。

本書では多くのノイズに対する対処法が解説されているのですが、一番実践しやすいのが「直感を最終手段」にすることです。

まずは、数字やデータを見て判断するようにしましょう

これだけで最初からフィーリングで判断するよりもよっぽど客観的に判断できるようになると思います。

私も本書を読んでから相手の言葉だけでなく数字や根拠もみるようにしました。

たとえば本の内容を信頼すべきかどうかですと、

  • 著者は本の内容に分野に精通している人なのか
  • 根拠などに参考文献などがついているのか
  • 事実なのか感想や意見を言っているのかを考える

このようなことを心がけるだけで誤った情報に惑わされにくくなると思います。

なお
なお
ただ、直感で選ぶほうがラクなのでどうでもいいことは直感で選んでも大丈夫だと思います。重要な判断をするときは直感だけで選ばないようにしましょう。

本書では統計的・科学的に検討してみることがノイズを減らす第一歩として書かれていますが私はこれだけでもかなり効果があると思います。

しっかりと根拠や数字なども確認してみる、これを最初にすることによってかなりマシな判断ができるようになるのではないでしょうか?

直感も大切ですが、まずは客観的に判断してみよう!

まとめ ノイズをできる限り減らしてみよう!

いかがだったでしょうか。

ノイズという概念をはじめて知った人も多いのではないでしょうか。

日常生活やビジネスにノイズを減らす仕組みを取り入れるといままでより正しい判断ができるようになります。

何事も直感で選んでいた人はまずは統計的・科学的に考えたうえで直感を働かせるだけ判断力が上がるかもしれません。

人生は選択の連続と言われているので少しでも正しい判断をしていきたいものですね。

ということで今回は以上になります。

それでは、また!

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