どうも、なおです。
私たちはよく、自分でわかっているのに不合理な行動を取ってしまいます。
ものごとを先延ばしにしたり、ダイエット中なのについつい甘いものを食べてしまったり、いらないものを買ってしまったり…
そこで、なぜ不合理な行動を取ってしまうのか、そんな疑問を持つ人にピッタリな本を紹介します。
予想どおりに不合理 行動経済学が明かす「あなたがそれを選ぶわけ」
著 ダン・アリエリー
訳 熊谷淳子
早川書房
著者のダン・アリエリーさんは行動経済学で有名な学者で他にもさまざまな著書やTEDでのプレゼンテーションも有名になっています。
そんな行動経済学の第一人者がなぜ人間は不合理な行動を取ってしまうのか、そして仕事や日常生活で最適な行動を取る方法を教えてくれます。
それではさっそく見ていきましょう。
本の紹介・要約
本書のポイントは、人間は不合理な行動を取ることが多いが、その不合理には規則性があって予想することができるということです。つまり、
ということです。
そもそも行動経済学とはどのような学問なのでしょうか?
伝統的な経済学では私たち人間は完全に合理的であり、完全な情報や計算能力を持っていて、常に自分の利益や満足度を最大化させる行動を取るものだと考えられていました。
しかし、私たち自身が十分に理解しているように、私たち人間はそこまで完璧な存在ではなく、完璧とは程遠い行動を取ってしまいます。
- 論理ではなく直感で選び、失敗してしまった
- ものごとを先延ばしにしてしまった
- 誘惑に負けてしまった
そして行動経済学とはこのように現実の人間の不合理な行動を前提とした経済学なのです。
なので行動経済学を学べば、先ほどの不合理な行動を取ってしまう理由がわかります。
- どのようなときに人は直感で判断してしまうことが多いのか?
- なぜ私は先送りにすることが好きなのか?
- なぜ誘惑に負けてしまうのか?
本書を読むことで、行動経済学を知り、日常生活や仕事での不合理な行動を改善することができるのです。
そこで今回は本書で紹介されていた不合理な行動の中でおもしろいと思ったものを3つ紹介します。
- 人は相対評価で満足度が決まる
- 市場規範と社会規範
- 高価格の力
それでは1つずつ深堀りしていきます。
行動経済学とは現実の人間の行動特性を考慮した経済学
人は相対評価で満足度が決まる
私たちは絶対評価ではなく相対評価をする傾向があります。
つまり、他人と比べて自分のことを評価するのです。
例えば給料が月1万円アップしたとします。
昇給をすることは非常に喜ばしいことですが、自分以外の同期は全員2万アップと知ったとたんにあなたは絶望するでしょう。
このように私たちは比較対象があると、それを基準に評価し、一喜一憂してしまいます。
他人と比べだしたら上には上がいると気づき、一生競争することになりますし、一握りの人間しか満足した人生を送ることができないでしょう。
なので周りと比べるよりも自分のやりたいこと、満足度が上がることに励んだ方が充実した人生を送れると思います。
また、本書では合コンのテクニックとして、自分と似ているかつ自分より劣っている人を連れていくと比較対象によりモテることができるということも紹介しています。
比較対象があるとそれを基準に評価してしまうが、比較し続ける人生はつまらない
市場規範と社会規範
2つ目は市場規範と社会規範です。
賃金・価格・利息など市場との関わり合いが生じるやり取りのこと。
友達同士の頼み事やボランティア活動といった金銭が全く関わらず、厚意に生じるやり取りのこと。
この2つの規範が存在していますが、社会規範に市場規範を持ってくると人間関係が崩壊する可能性があるのです。
例えば、友達の引っ越しの手伝いをした後に友達からお礼として現金を渡されると、このように思うことがあります。
しかも、金額が少ないと「私の一日ってこれだけの価値しかないのか…」と思われてしまいます。
また、デート相手に「これまであなたにいくら使ってきた」と言えば幻滅されることでしょう。
頼む側としてはお礼としてお金を渡したくなるのものですが、友情や愛情をお金で返すのはナンセンスです。
それに頼まれる側としては「ありがとう」と言われるだけで気持ちが良いものです。
どうしても何かを返したいというならプレゼントや相手の頼みごとを聞いてあげると良いでしょう。
このように市場規範と社会規範の範囲を間違えると人間関係が崩壊する可能性があるので注意してくださいね。
友情や愛情などの厚意をお金で返すのはやめよう!
値段が高くなるほど効果が上がる
私たちは価格が高いほど良質なものであると見なす傾向にあります。
著者はビタミンCの錠剤を痛み止め薬と偽り、1錠2ドル50セントの高級薬と説明すると、1錠50セントと伝えたときよりも「効いている」と感じた人が多かったという実験結果を紹介しています。
まったく同じものでも受け取り方で効果が変わってしまう、これも人間の不合理の一つですね。
プラシーボ効果は顧客の満足度を高めるため、商品を誇張して宣伝されていたりするので注意が必要です。
ただ、プラシーボ効果でも効果が出ればだまされても良いと私は思うんですけどね…
価格が高くなるほどプラシーボ効果が高まる
まとめ 不合理さに気づくことで人生は豊かになる
いかがだったでしょうか。
今回は意思決定の罠の例として、次の3つを紹介しました。
- 相対評価
- 市場規範と社会規範
- プラシーボ効果
このように人間はどのように不合理な行動を取ってしまうかは、あらかじめわかっているので事前に対策することができます。
なので、行動経済学を学ぶことで合理的な行動を選択できるようになり、日常生活や仕事の満足度を高めることができるのでとてもおもしろい学問です。
気になった方はぜひ本書を読んで学んでみてください。
ということで今回は以上になります。
それでは、また!
お金のために手伝ったわけじゃないのにな…