どうも、なおです。
今回は「格差は心を壊す」という本を読んで、おもしろかったので紹介します。
本書は格差は経済にどのようなダメージを与えるのかというよりも人は格差を感じると精神的にどのような影響があるのかについて書かれています。
ほかの格差についての本とは違い、とてもおもしろいポイントに着目しているので大変勉強になりました。
ということでどのような内容なのか、さっそく見ていきましょう。
格差は心を壊す 比較という呪縛
著 リチャード・ウィルキンソン、ケイト・ピケット
訳 川島睦保
東洋経済新報社
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本のあらすじ・ポイント
本書のポイントは格差について人の心に焦点を当てているということです。
そしてもう少し大事なポイントになるのですが、本書は「私たち個人が精神的に強くなれ!」ということが言いたいのではありません。
社会の構造的な問題や原因を突き止めたうえで、どのようにその要因を排除して平等な社会をつくっていくかという極めて大きな話をしています。
そこで本書の前半は格差がどのように私たちの心にダメージを与えているのか、そして後半ではどのような社会をつくっていけばいいのかという展開になっております。
個人的には格差が人の心に与える影響がとてもおもしろかったですね。
また、本書はデータや参考文献がたくさんの使われているので非常に説得力がありました。
ということでここからは私が個人的におもしろかったことや勉強になったポイントをいくつか紹介していきます。
実力主義は劣等感を合理化できない
現代は昔の農民やら貴族やらの階級社会とは違い、ある程度自分の実力が評価される時代になっています。
これはすごくいいことなのですが、格差という視点で考えると問題がありまして、
それは、結果が出ないのはすべてその人に責任があると認識されてしまうことです。
極端な話、階級社会では、
- 下の階級だからそもそも期待されていない
- 当事者も自分の地位を理由に結果を出せなかったことに納得している
このようなことが起こりえるので昔は比較されて劣等感を感じてしまうことはいまよりも少なかったと思います。
しかし、現代では家庭環境などさまざまな生まれ持った格差があれど、
結果がでないのはあなたが努力をせずにだらだらと生きていただけでしょと思われてしまいやすいです。
このように考えると現代の名目上の平等な競争社会にも負の一面が垣間見えますね。
最近は人と比較することに敏感になって、精神的に病んでしまう人も多いですが、
- SNSによって人との比較が加速している
- 精神病自体が最近になって認知されるようになった
このような要因だけでなく、昔よりも周りの人との比較に敏感になってしまうような社会の構造になっているのかもしれませんね。
実力主義社会では結果が出ない=その人が悪いという風潮があるのでそれによって苦しんでいる人もいる
所得格差が引き起こす社会の反応
本書では所得格差に引き起こす社会的な反応があると説明されています。
それをまとめますと、
- 自尊心や自信がなくなることによって精神的に病む人が出てくる
- 逆に自分を自分以上に盛った、誇張する人も出てくる
- 上記の要因によって積極的な社会的な交わりを避けるようになる
- その結果、地域社会が衰弱する
たしかに自分よりも金持ちと比較すると自信を無くしますし、比較社会ではちょっとでも自分をよく見せようとする言動も増えますね。
一部の富裕層や成金は除きますが、そのような社会に疲れると人は社交場に行くことも少なくなるでしょう。
絶望を感じる人が多くなったり、社会的な交流が減ると結果的にその地域社会は弱くなっていくようですね。
そう考えると平等な社会のほうが良さそうに見えます。
じゃあ、社会主義のほうがいいのかというとそれはそれで国家が破綻したという歴史がありますからうまくいくとは考えにくいです。
じゃあどうすればいいんだい?となりますが、本書ではうまく平等主義を推し進めていくような社会を描いているのでご安心ください。
具体的な内容が気になった方はぜひ本書を読んでみてくださいね。
所得の格差は社会の衰退にも影響を及ぼす
まとめ 誰もが幸せな社会をつくろう!
いかがだったでしょうか。
本書は人と比べることに疲れてしまった人にぜひ読んでほしい1冊です。
直接的な解決法にはなりませんが、なぜそのような気持ちになるのか、そもそもなぜ比較してしまうのかという根本的な原因は理解することができます。
実現することは難しそうですが平等な社会、実現できるといいですね。
ということで今回は以上になります。
それでは、また!